「うちの子はとても良く食べてとても活発なんだけど、
なんとなくやせてきている気がするのよ。歳のせいかしら?」とのことでした。
通常の血液検査と一緒に甲状腺のホルモン検査を実施したところ、
甲状腺機能亢進症という病気であることがわかりました。
すぐに甲状腺のお薬を飲み始め、
定期的にホルモン検査をすることで良好な状態を維持出来ています。
この病気は甲状腺のホルモンが出すぎることで、
代謝率が高まり、どんどんエネルギーを消費してしまいます。
そのエネルギーを補うためにたくさん食べるのですが、
エネルギー消費が大きいためやせていってしまいます。
例えるなら車をアクセル全開で運転していたら、
いつか必ずガス欠が起き、車は動かなくなってしまいます。
この病気はねこちゃんが常にアクセル全開で行動していると思って下さい。
ねこちゃんがある日突然ガス欠を起こすと、
「虚脱」という意識もうろう状態に陥り、
最悪の場合そのまま天国に旅立ってしまいます。
そうならない様にお薬で甲状腺のホルモンが出すぎるのを
抑えなければなりません。
この病気の厄介なところは、一見すると元気も食欲もあるため、
飼い主様が病院に連れて行こうと思われないところです。
このため、10歳以上のねこちゃんは元気であっても、
甲状腺のホルモン検査を受けさせてあげて下さい。